さて、今回は、どの学校の剣道部にも1人はいる鬼の先輩の話です。
鬼の先輩とは
たいていどの剣道部にも一人はいます。
1~2年生からしたら鬼のように怖い先輩。
怒らすなんてもっての他。
とにかく目をつけられないように地稽古の時などは打ちどころに注意(笑)
引き胴打った時、思わず脇の下なんて打ってしまった日には倍返しで強烈な打突が返ってきます。
高校生の場合、何を思ったか思わず突きなんて出してしまった日には、怒り狂ったようにめっちゃ突き返されます。
その鬼の先輩に目をつけられた1年は特に悲惨。
一人だけ、ハードな練習メニューが次々に追加されたり・・・。
そこでムッとしてにらみかえそうものなら、もう大変。
「なんか文句あんのか、おらぁっ!!」
といきり立ち、
腕立て伏せや腹筋なら動けなくなるまでやらされますし、ランニングなら、一人で延々校庭を走らされたりします(^_^ ;)
私も中学や高校の時、一人はそういう先輩がいました。
1年坊のしごき役って奴です。
身に憶えのある方はたくさんいると思います。
鬼の先輩は本当に鬼のように強いのか?
県大会で常にベスト4に入るような上位の強豪校だと、
「いやいやうちなら鬼の先輩なんて5人はいるよ・・」
「いやいや全員鬼でしょ!」
とか聞こえてきそうですが、まぁきびしい先輩揃いの世代もあれば、
きびしい先輩は一握り、もしくは数人という世代もあります。
強豪校となれば練習はきびしいのは当たり前ですが、かといって先輩の気質が皆鬼のようかと思えばそんなことはありません。
(もちろん稽古中は鬼のようにきびしく戦いを挑んでくるのは当たり前ですが・・)
もちろん入部当初の1年坊主からみたら3年の先輩なんてほんと怖い鬼のような人たちに見えると思いますが、慣れていく内にだんだんそうでもないことがわかってきます。
ぶっちゃけ3年生の半分以上が鬼のように怖い先輩ばかりだとしたらその部は、おそらくたいして強くありません。
せいぜい勝ち進んでも県大会ベスト4止まりでしょう。
全国大会にもなかなか出れないと思います。
またいくら後輩をきびしくしごこうが後輩もたいして強くなりません。
毎日嫌々稽古したって本人の才能があまり伸びないからです。
また後輩にとって鬼のように怖い先輩は、たいてい部内でもトップの強さではありません。
なぜなら後輩にとって鬼のように怖いということは、歳下の人に対して常に「いばっている」ということです。
いばっているということは自分を冷静に客観視できず、自己を律することができない、つまり未熟な人物ということ。
本当に強い人はいばる必要などなく、いばらずとも誰もがその人を強者と認め、教えを素直に請い、自然と後に人がついてきます。
また本当に強い人、また強くなり続ける人は必ず心のどこかに「謙虚さ」を持ち合わせています。
なぜなら常に目標の人がいて、人から学ぼうと考えているからです。
でなければ向上し続けることは絶対にできません。
鬼の先輩は部内に1~2人ぐらいがちょうどいい
鬼のように怖い先輩が、もし剣道部団体戦のレギュラーだった場合どこのポジションになることが多いでしょうか?
一番良い形で考えてみましょう。
まずはチームの大将を務める先輩は、基本的に落ち着いていてやさしいところもきびしいところもある、チームで一番強い人。
そして何より自己にきびしく、部内で一番尊敬できる人。
まぁ部長がやるケースがとても多いですね。
そして副将がちょっと怖い人(笑)。
まぁこのポジションに鬼の先輩が来ることが多そうに思います。
次に怖い先輩タイプがなるとしたら、中堅でしょうか。
まぁ実際は次鋒か中堅は普段やさしいタイプの人が多いとは思いますが、中堅は要なので、しっかりタイプの人が多いこともあり、勝負強い鬼の先輩がこのポジションに来ることもあるでしょう。
先鋒の人は勢いがあってどんなタイプの選手にも対応できるような柔軟性が求められるせいか、芯がしっかりしていて何があってもあまり動揺しない、基本的に気が強かったり、とにかくぶれない人。
この構成が一番しっくりきます。
社会人の方ならわかると思いますが会社なんかでも社長、副社長(or 専務)などをみるとお分かりでしょう。
下ににらみを利かせる人は、サブリーダーでないとダメ。
チーム、または部内の雰囲気が悪くなって士気が落ちてしまいますから。
また逆に怖い人がいないとピリッとしないものです。
ですから鬼の先輩は自らわかってて憎まれ役をやっている場合もあるでしょう。
普通にただ嫌な鬼の先輩もいる
私も経験しましたが、先述の理想とは違い、もちろん普通にただ嫌な性格の悪い鬼の先輩、中学の時、一人はいます(笑)
それもいくらがんばってもレギュラーになれない万年補欠の先輩(笑)
上から認めてもらえない・・、そのため普段から欲求不満がたまっていることにより、そのはけ口は後輩に来るという負のスパイラル・・。
中学の頃はまぁしょうがありませんね。
まだ子供ですから。
しかし中学1年と中学3年は大人と子供ぐらい身長と力に差があるせいで、本当に怖かったのを今でもよく覚えています。
体も大きく本当にまるで凶暴な「虎」に見えましたもの・・(汗;)
その人に体当たりなんて食らえば本当に数メートルも吹っ飛びました(笑)
逆に自分が3年生になった時、なるほどなと。
私はやさしい先輩だったと思いますが、それでも生意気な1年坊主とか稽古なのでたまに体当たりで吹っ飛ばしていましたから、それだけ中学の頃はたった2年でものすごい開きがあるということです。
大人になれば普通の人
剣道部時代、どんなに怖かった先輩も大人になり、30代も半ば過ぎた頃久しぶりに会えば、みんな普通の常識あるおっさんになります(笑)
男勝りの女性もちょっと相変わらずちょっと口うるさい程度のただのおばさんになります(笑)
中学、高校時代に剣道部でがっつり汗を流してやりきった人間は、みんな悪いもんが落ちていくからでしょう。
10代の頃、さんざんやんちゃしたヤンキーが、20歳過ぎたらすっきりした大人になってしまうのと似ているかもしれません。
だから、今中学生、高校生で1~2年生の現役の人たち、大人になった時、鬼の先輩が果たしてどんな大人になるか、10年後を楽しみにしてみたらどうでしょう?
同期の仲間内では、鬼の先輩の話題にはことかかないと思いますが、皆でその先輩がどんな人になっているか、予想してみましょう。
「いやあいつは絶対刑務所入ってるっしょ!(笑)」
とか言う人もいるかもしれませんが、これが意外と真面目な市役所の職員になってたりとか数年後意外を通り越してびっくりしたりしますよ。
10数年後をお楽しみに!