「剣道具師」になる方法
剣道防具製作の職人は、「剣道具師」と呼ばれます。
剣道具師になるには、一般的に二つの方法が考えられます。
●経験の長い剣道具師さんのもとに頼み込んで弟子入りする。
●剣道防具を作る会社さんに問い合わせて職人枠に応募する。
採用されるか否かについては後者の方が難易度は低く、現実的だと思います。
前者については、剣道具職人会という組織がありますのでそこに問い合わせると良いでしょう。
技術の共有や継承を目的としており、基本的に個人の職人さんで構成されています。
ウェブサイトに会員名簿があるので、働きたい場所に近い職人さん、雑誌などメディアで紹介されていた憧れの職人さんなどがいれば直接問い合わせることも可能です。
ただし今は防具も昔ほど売れず、大手の製作会社におされて、個人の職人さんは技を継承したいのは山々だけれども、正直弟子をとるどころではない・・・という方が多いと思いますので、まずは以下のページに東京、名古屋、福岡に事務局問い合わせ先の記載がありますから、いずれかに問い合わせてどのように頼めば取り合ってもらえるか、直接電話しても大丈夫か等詳しく聞いてみたほうがいいと思います。
もし職人さんにどうしても直接電話して聞いてみるしかない場合は、先方はお仕事中でしょうから、迷惑にならないよう平日の午前9時から午後6時半ぐらいの常識的な時間帯の範囲で、できれば休憩されてそうなお昼頃に丁寧な言葉使いで「お忙しいところ大変すみません。剣道具師になりたいと考えているのですが、そちらでは現在職人の採用について面接なりご検討いただくことは可能でしょうか」とお伺いしてみるのが良いかと思います。
とにかく失礼にあたる電話をした時点で取り合ってもらえないと思いますので電話をする際は重々注意してください。
また弟子入りとして学ぶとなると給料についてはもうなんとも言えません。生活費は他でバイトしてでもその人から技術を学びたい!ぐらいの気持ちでないと無理でしょう。
後者についてですが、雑誌「剣道日本」さんなどでよく防具製作の工場など現場の風景が紹介されているのでそこで気に入ったところに応募するのが一番早道だと思います。
ただ剣道防具を作っている工場など全国でも少ないので、家から近いところは早々見つからないでしょう。
家から近いところで探したいのであれば、自分が通ってよく剣道具を買っていたお店に仕入れ先の製作所さんを教えてもらってからネットを使ってなり調べると良いでしょう。
動画でみる「剣道具師」さんの見事な技
▼剣道具に見る職人の技と心
ちょっと筑波大の稽古風景から防具の歴史など前置きが長いですが、4分24秒あたりから。大阪で明治の時代から面金作りで三代目をやってらっしゃる方の紹介から現場と実際の職人さんの仕事ぶりが見られます。
▼東山堂 匠の技 剣道具師 田原博文に訊く
こちらは当サイトの広告主として提携先の東山堂さんの仕事ぶりが拝見できます。
防具は今でも手作業によるところが多く、なんと胴の胸の飾り、蜀紅や雲形なども、手で全部縫っています。
実際縫っているところを以下の動画(8分10秒から)で確認できます。
▼全日本武道具センター TV出演
胴の胸のところを縫っている方は、職人暦43年、剣道も7段だそうです。
本当に凄い技ですよね。
最短4~5時間から手間のかかる飾りなど3日ぐらいかけて正確に縫い上げるのですから、熟練の技としか言いようがありません。
まさに克己を体現したような剣道の精神と相通じるものがあります。
またこちらはちょっと古いタイプのウェブサイトですが、職人さんの仕事が非常にリアルに感じ取れるのでぜひご覧あれ!
天皇、皇后 両陛下の天覧を賜った由緒ある製作所だそうです。
今でも多くの職人さんが魂込めて防具を作ってらっしゃってここに日本のモノづくりの原点を見るような想いが満ちてきます。
今は国内の剣道人口が縮小傾向のせいで腕の良い職人さんが減ってきているのですが、
海外では剣道人口は増加しているので、海外では需要があるんですよ。
海外では質のよくない防具などが高い値段で売られてしまっていることもあるそうなので、その辺をうまく整理できるルートが
必要なのかもしれません。
「剣道具師」になりたいけどオレ、英語得意だぜって人は将来海外で成功できるかもしれませんよ。
その国で唯一の剣道具師になるのもいいでしょう。
では「剣道具師」を目指したいという方、ぜひがんばってトライしてみてください!