剣道の面白さとは

剣道の面白さを伝えるイメージ

何かの縁で剣道に興味を持ってくれた方や何かの縁で剣道をやってみようかなと思っている方のために、剣道の面白さについて語ろうと思う。

まず真面目に日本古来からの歴史を踏まえて語ってみよう。

剣道とは、つまり「剣の道」であるが、竹刀に置き換えているとはいえ元は剣という人を殺傷する武器を使う技術の体系が全ての競技・・・ではなく、「道」とつくところにおおいに意味があって、そこに武士の時代からの礼儀、作法、そして人としていかに生きるべきかという命題を根底にしつつ、社会に貢献できるようより良き人格を形成を目指し、その精神性の練磨に重きをおいている競技なのである。

 

その奥行きは、まったくもって「深い」。

この点において、武道たる剣道はスポーツとは一線を画するところがあると思う。

スポーツも長く実践する中で人生における深い教訓や精神性は得られると思うのでスポーツを軽視するわけでは決してないが、武道たる剣道は長い日本の歴史の中で今の歴史を築いてきた剣士たち(といっても政治、経済、教育、文化とあらゆる分野に人材は進出)の想いが技や型の中に、そして連綿と受け継がれてきた先達の指導の中にその剣士としての魂が受け継がれている競技という点においてやはり趣きが異なると思う。

つきつめれば相手を殺傷する命のやりとりという究極の行為に行き着くため、長くこの剣道を続けていくと、人間がどう生きるか?死ぬか?という死生観にまで及ぶのである。

また剣、その代替物として現代剣道では竹刀を使うが、この竹刀という介在物を使うことによって80歳になっても体力の圧倒的に勝る10代、20代の若者に勝つことが可能という一生涯続けられる競技なのだ。

 

真面目に語るとそんな堅い調子になってしまうが、ここからはもっと気楽に単純に最初はどこが面白いか?という点について語ろう。

 

そもそも男であれば、子供の頃にテレビの時代劇などの影響からチャンバラをしたことがあると思う。

そしてチャンバラは楽しかったはず。

つまり男は剣(刀)をもって戦うのがそもそも好きなのだ。

それを安全な竹で作った刀である竹刀で、安全対策として頑丈な防具をつけることによってそのチャンバラを思いっきりできるわけである。

こんな楽しくて面白いことはない(笑)。

それなら女はどうよ?と言われると女性も闘争心では男性ほどでないにしろ頭にきたりストレスがたまれば何かを思いっきりたたきたくなると思う。

それを思いっきり「できる」

 

どうですか?

最高でしょ?(笑)。

 

剣道は闘争心という人間の原始的な強い本能を全開に出しながらも礼節のある戦いをできる点、または日々のストレス発散、解消という点において最高の競技ではないだろうかと思っている。

いや実際剣道をやっていた中学、高校時代には思いもよらなかったのだけど、大人になっていろいろなスポーツや他の武道も経験し、日々会社の仕事なので多大なストレスを日々抱える今となって気づいた。(社会人になってからまたやろうかと思っている人、社会人デビューで始めたい人はぜひ!)

 

つまりは頑丈な防具をつけていることの意味は大きいということ。

 

他の武道として例えばフルコンタクト(直接打撃制)空手は道着以外に普段の稽古では、拳サポーターぐらいで体には何も防具はつけないで稽古をする。

なのでこれは極真空手を2~3年経験してみて本当にわかったが、実際「超痛い!」(笑)。

入門する前に見学していて、みな平気な顔して思いっきりボコボコお互いの体を殴り合っているのでそんなに痛くないのかと思ったが、体が慣れるまで本当に痛いんですよ!!

当時中量級チャンピオンだった21歳ぐらいの有名な師範にそのことをぶっちゃけて聞いたら、「そこは我慢です!」と力強い笑顔で言われました(笑)。

フルコンタクト空手でなくても柔道や合気道においても道着(ここでは袴含めて道着ね)以外は何もつけないので、実際稽古にしろ試合にしろ本気でぶつかりあえば体は痛い。

もちろん剣道も防具をつけているとは言え、面と小手は思いっきり打たれたら、けっこう痛みは感じるのだけど(特に小手ね。ただ胴は一番頑丈なので全然痛くない)、フルコンタクト空手なんかに比べたらなんでもない。

柔道も相手に不意に思いっきり投げられて受け身が十分とれなかったり、足払いは直接バシバシ足の裏使ってだけど蹴られるし、寝技での攻防とかけっこう体痛いからね。

ただ剣道も高校生ぐらいになると相当力が強くなるので防具の上からでも打ち方によっては結構痛いし、防具からはずれた所を打たれたらめちゃくちゃ痛いですけどね(笑)。

その時は、「この下手くそ!」と相手をにらんでいいし、倍にして返してやればいい。

 

あと、防具をつけているから、自分よりはるかに強い人や先輩にも遠慮なく打ち込める点。

これがポイント高い。

極真空手やっている時、日本チャンピオンやでかい外人、またずっと上の上級者(茶帯や黒帯)の人に思いっきりパンチや蹴りを打ち込んで本気にさせてしまうと殺さるかと思うぐらい倍になって返ってきて怖いのでやっぱり遠慮しますもん。

本気で打たれたら本当に痛いどころか怪我しますからね。下手すると鎖骨や肋骨折れたり(たいていヒビぐらいで済みますが)、打ち身もすぐ後で内出血で黒赤くなります、マジで!(汗;)

日本チャンピオンである師範の強烈な上段蹴りが頭の上をマッハでかけぬけた時は、あれが頭か首にあたっていたら即効で逝ってたなとふと思い起こして、今でもぞっとする時がある。

こういう観点から剣道という競技の面白さをあまり聞いたことはないと思うので私があえて言ってみたわけだが、それ以外にももちろん多々ある!

 

何より相手とのギリギリの攻防の中で1本取った時の「快感」だ。

これがたまらない!

サッカーで自分でシュートしてゴールが決まった時の快感と同じ。

サッカーと同様、団体戦なんかでは、周囲も歓喜してくれるので周囲からの拍手と歓声による称賛も加わってなおさら気持ち良い!

他にも小手、面、胴の相手への一方的な打ち込み稽古は、いい形で打てたと思うと気分良くて気持ち良くて楽しくなってくる。

決まった・・・!

と一人悦に入る感じ(笑)。

悦に入ると言ったら、練習試合なんかで周囲に他校の選手も大勢注目している中、二本勝ちなんかで余裕で勝ってしまって周囲から「おぉ! あいつつえー!なにもんだよ。」とかざわつかれると、「やべ、今の俺超かっこよくね?」とか一瞬自己陶酔する(笑)。

 

私もありましたよ、そんな経験が高校一年生の新人戦の大会の時。
(それについてはまた他の記事で書くかもしれません)

ぜひそんな悦に浸るシーンを剣道をやって味わってほしい!

こんなこと書いたらえらい先生方に怒られそうですが(笑)。

 

あと、これはちょっと本来からはずれるけど、先生がいない時に道場内で仲間とふざけていろいろ変な打ち方や構えを試すのも楽しい!

普段やらない上段や下段に構えてみたり、二刀流でやってみたり、めっちゃ削り込んで作った軽い竹刀で戦ってみたりと。

 

他には、稽古の最後にやる「黙想」も気持ち良い!

これは稽古の最後に、「黙想っ!」という主将の号令によって、座禅を組み、精神統一を1~2分ほどするのだけど、この激しい稽古の後、しーんと道場内がなった後、再び「やめっ!」の号令で目を開けた時、なんとも言えない爽快感と充実感を感じる。

これはもう剣道の稽古以外では味わえない感覚だ。

マニアックなところでは、竹刀の手入れや防具のメンテナンスやクセをあえてつけてみたりするのも面倒というよりけっこう楽しい(笑)。
(それについては別記事でまた書こう)

 

もちろんどんどん自分が上達していくことが実感できたり、勝てなかった人に勝てたり、昇段審査に受かったりとまだまだいろんな面白いこと、楽しいこと、たくさんのポイントがあるが、それはこれからあなたが自分自身で発見してほしい。

ぜひ剣道を始めて、この奥深い素晴らしい世界をご堪能あれ!

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