最近まで、全国レベルの強豪校として知られる大学の主将が、後輩の顔面を竹刀でぶってしまってメディアにも取り上げられる事件となってしまった記事をアップしていましたが、思っていた以上に閲覧されていたのと、いつまでも載せているとその大学で今でも剣道をがんばってやっている他の部員さんやOBに申し訳ないのでそっちの記事は落としました。
今回のニュースは今年1月下旬に起きたものです。
こういう体罰が発覚したニュースはあまり取り上げたくはないのですが、けっこう生徒が泣き寝入りしているケースも多々あると思うので、被害にあった場合は、
こういう社会的罰を受けるんだよ、だから被害にあったら勇気をもって両親や友達、他の先生に話そう!
と伝えたくて、このサイトでも取り上げてみました。
竹刀で殴り女子生徒入院 千葉県教委、剣道部顧問を停職 鴨川の強豪中学
千葉県教委は18日、顧問を務める剣道部の練習中に、女子生徒の頭を竹刀で直接たたくなどの体罰を繰り返したとして、鴨川市立中学校の男性教諭(39)を停職6カ月の懲戒処分にした。女子生徒は約1カ月間入院し、保護者が千葉県警に被害届を提出。男性教諭は傷害の罪で罰金50万円の略式命令を受け、納付したという。
県教委によると、男性教諭は昨年11月1日朝、校内の剣道場で竹刀を使い、2年生部員の女子生徒1人の頭を5~6回たたいたり、のど元を押し、脳振とうや打撲のけがを負わせた。女子生徒は正座し、防具類は身に着けていなかった。
練習後に教室で泣いている女子生徒に担任が気付き発覚。男性教諭は「(女子生徒が)素振り練習中に目線がずれて集中を欠いていたので、かっとなってやった」と話したという。~
ヤフーニュース(引用元 千葉日報オンライン 1/19(木) 12:02配信)
なんと言ったらいいのでしょうか・・・。
人間ですからカッとなるのもわかるんですが、女の子に「(竹刀で)頭を5~6回たたいたり、のど元を押し、脳振とうや打撲のけがを負わせた」とか、有り得ないんですが・・。
「他の複数の部員への体罰も判明した」とありますがそうでしょうね。
この、顧問着任後、全国大会にも出場している強豪となったとありますから、まぁ想像できます。
強豪校はほとんど顧問の先生はおっかないです。
稽古は鬼のようです。
竹刀でバシバシはたくのは多少はしょうがないんですよ。
男はね。
高校生ぐらいになれば、たいていのしばきは我慢できます。
強豪校であれば道着や袴のある部分を竹刀で1~2回ぶつぐらいは日常茶飯事かもしれません。
私は経験ありませんが。
しかし女の子に何してんですかと。
「女子生徒が泣いているのに担任が気づき、体罰が発覚。」したとあります。
泣いている姿を想像すると、本当に憤懣やるかたない気持ちになります・・・。
こんな指導者、もう剣道界に必要ないですよ。
罰金50万円と停職6カ月、そして研修受けさせてチャラ・・
とかにしないで、剣道部顧問もきっちり辞めてほしいですね。
どうせしばらくしたら顧問に復帰するのでしょうが。
これからの剣道界の健全な発展の邪魔になるだけです。
今剣道場で少年少女を立派な剣士に育てあげようと真摯に努力、指導している剣道家の方たちが、生徒を集め、道場を維持、運営していくことにどれほど苦労されていることか!
このニュースを知った父兄は「うちの子に剣道やらせて、大丈夫かしら・・・(汗;)」と不安になってしまってただでさえ少子化なのに、ますます剣道をやる人が減ってしまいます。
そんな悪影響を考えたら、もう武士の時代ならお家断絶は免れたとしても、絶対切腹ものですよ!
そんな勝手な教育指導がしたいのであれば、自分で道場開いてやってほしいと思います。
そうすれば、そんなことをすれば生徒なんてすぐ誰も集まらなくて飯も食えなるのは明白なので、自分が犯した罪が骨身にしみるはずです。
そもそも民間企業で働いていた者には人として常識的にも信じられないことを教師がよく犯すのは、たいてい公立のケースです。
公務員のためそう簡単にクビにはならないことがわかってますし、また自分がどうしてお金がもらえているのか根本的なところがわかってないんだろうと思います。
民間企業で働いたものならわかると思いますが、一つの見方から考えれば、生徒って「お客さん」です。
生徒がいるから教師はお金がもらえて飯が食えるんです。
その大事なお客に何してんですかと?
政府から(つまり税金ですが)お金が支給されているもんだから、そんなこともわかっていないのでしょう。
ただこの論理をストレートに受け取られてしまうと、今度は生徒や親御さんがまた勘違いして威張り出し、今度はものを教えるべき先生が生徒や親にへりくだることになって生徒も先生のいう事を聞かなくなる・・・なんてことになりかねないので、この論理は、経済におけるお金が回る仕組みとしての解釈であり、大人としての論理だと理解していただだければと思います。
さらに他の記事で、補足情報として追記します。
~生徒は33日間入院し、現在も通院中。顧問は「生徒の集中力が途切れ、かっとした」と話しているという。~
JIJI.COM(2017/01/18-18:54配信)
33日間、つまり約一か月入院ということはよほどの怪我です。
強豪校だから女子部員でも稽古はそりゃきびしいでしょうから、稽古のつらさに泣くことは普通に多々あるでしょう。
ただそれとは別次元の話ですね、これは。
教師も自分の指導によって全国大会なんかに出場して強豪と呼ばれるようになると「オレの力だ!オレのおかげで強くなれたのだ!だからオレの言うことを素直に聞け!」という思考が充満してしまって、勘違いしてえらそうになってしまうのでしょう。
それ勘違いですから、本当に。
むしろ自分のきびしい指導に素直について歯を食いしばって耐え、ついてきてくれた生徒に感謝すべきではないでしょうか。
おかげで学校側からは自分に対する剣道部顧問としての評価も上がるのですから。
あくまで試合に勝ち、強くなったのは生徒自身の力です。
確かに指導のおかげもあるでしょう。
ならばいっしょに喜べばいいだけです。
教える方も教わる方もイーブン(対等)です。
人は、教えることによって、また教わるのですから。
ここ数年再評価され、注目されている心理学者のアルフレッド・アドラーも言っています。
育児・教育(更には一般的な人間関係)で大切なことは、縦(上下)ではなく横(対等)の人間関係において接することで、具体的には、「勇気付け」をする際に、評価をする(褒めたり叱ったりする)のではなく、喜びを共有する(「ありがとう」「嬉しい」「助かった」などの言葉で自分の気持ちを伝える)ことです。
引用元:kdoki「人間関係に悩んでいる人にアドラー心理学本をおすすめする理由とは」
他、彼に興味を持った方への参考記事。
> アルフレッド・アドラーの名言
本当に強い人物は謙虚でやさしいですよ。
ボクシング世界チャンピオンとして世界防衛を13回もしている具志堅用高さんなんて今ではタレントとして若い人にはおバカキャラで変なおっちゃんとしか認知されていないことが多いですが、本当にボクサー、それもとんでもなく桁外れに強い天才ボクサーだったなんて信じられないほどやさしいですよね。
そんな具志堅さんですが、以下の記事を見ても昔のような価値観を自分の子供にさえ押し付けていません。
本当に強い人は違いますね。
全日本で優勝している内村選手や寺本選手なんかも本当に自分にきびしく謙虚です。
私の所属していた高校剣道部は道場に大きく掲げてある垂れ幕には「謙虚」の二文字が常に飾ってありました。
剣道の指導者であればこの二文字を忘れないでほしいと切に願います。