憧れの二刀流

私のみらず、二刀流に憧れる人は多いだろう。

言うまでもなく、最強と言われたかの伝説の剣豪、宮本武蔵が「二天一流」と称して、世に知らしめた流儀である。
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テレビの時代劇などで刀を二本持った武士がばったばったと大勢の敵を切り伏せるシーンを見たことあると思うが、絶対そっちの方が強いし、かっこいいじゃん!と感じるだろう。

そして、誰もが最初に「そりゃ一本よりも二本持った方が有利だよね?」と考える。

しかし現実は異なる。確かに二本の刀が自在に扱えるほど軽ければ、有利な点が多いかもしれないが、実際の刀は非常に重い。1本最低でも1.5キロはある。

片方を短刀にしたところで0.7キロぐらいはあるのだから常人の力では相当鍛えていないと扱えるものではない。

武蔵が本当に二刀を実戦で使っていたとしたら、技術がどうのという以前に相当な怪力だったことは確かである。

さてそこで刀よりははるかに軽い竹刀ではどうか?

竹刀なら軽いんだから二刀もいけるっしょ?と剣道をやったことのない人なら考えるかもしれないが、これが竹刀でもはるかに困難。というか普通無理!(笑)

皆剣道始めた頃は、試に二本持って武蔵みたいに戦えるか振り回してみた経験があると思う。そして、すぐにこれで試合をするのはかなり難しいと気づいたはずだ。

そこでさらにもう一歩踏み込み、実際に防具をつけて戦ってみようと刀の打突部分を削りすぎて役に立たなくなった竹を集めて短い竹刀を作り、現代剣道の二刀流、右利きなら左手に防御主体の短い竹刀、右手に攻撃主体の普通の長い方の竹刀を持ち、先生がいない時などに遊び半分でやってみた人はけっこういると思う。その時に遊びでやるには面白いが、マジになればなるほど難しいとわかったはず。

握りが少しでも甘いと竹刀を両手で持っている相手に片方の竹刀をはじき飛ばされてしまうし、右手一本で面を打つにも間合いを詰められるととたんに打ちにくくなるし、小手は右手一本では非常に打ちにくい。

特に相手に剣先でのどや胸を突かれた場合、どっちの刀で防御するか迷っている暇はない。反射的にいずれかの刀で払いのけなければならない。

現代剣道では二刀流の場合、片方の短い竹刀は防御主体、長い竹刀は攻撃用と役割分担させて指導されているのはそういう点にも理由があるのかもしれない。

ただ利点として意外にも、二刀の方が攻めるのに向いていると思っていたのが逆に防御が固く、守りの方が向いていることに気づく。

構えた時点で、面は長い方の竹刀で最初から防御しているし、小手は正眼の構えより相手にとっては打ちにくい。相手を自分の間合いに招きよせたり、先に不用意に打ち込ませて決める!というスタンスが二刀流の固い戦い方ではないだろうか。

ただ二刀流の理想の形は、片方の剣で守り、もう片方の剣で切るということをほぼ同時に行う「攻防一体」。

これが実現できれば最強だが、無論到底実現困難なまさに「理想」だ。

二刀はやっぱり一対一よりも、複数の人間を相手にした時の方が有効だろう。

なぜなら二人に同時に打ち込まれた時、体さばきではかわしきれないが刀がもう一本あれば防御率は自然と高くなる。

武蔵も「五輪の書」で、二刀が有効なのは複数の人間を相手にした時と記していた。

なんにしろ、二刀を使いこなすには並外れた腕力と鍛錬が必要。

いまだ二刀流で全日本を制した人がいない点からもそれは明らかであろう。

しかしそんな難度の高い二刀流でやれる人が少ないだけに憧れてしまうのである。

>> 憧れの片手面

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